素材:絹100%(松煙染め) 工房:城間びんがた工房 着用シーズン:6〜9月頃の単衣・盛夏 着用年齢:特に問いません。
合わせる着物:紬、小紋、御召、色無地など 琉球紅型は、14〜15世紀頃に始まったと言われており、また沖縄で生まれた唯一の染物です。
それは京友禅・加賀友禅・江戸小紋と並ぶ日本の代表的な染物です。
永い歴史と風土に培われた王朝文化のひとつであり、 洗練された紅型の華麗さはその芸術性においても。
世界の人々から比類のない染物として重宝されています。
城間びんがた工房の製作工程 1、図案作り→ 2、型彫り→ 3、型置き→ 4、色差し→ 5、隈取り→ 6、蒸し→ 7、水元→ 8、糊伏せ→ 9、地染め→ 10、色止め→ 11、蒸し→ 12、水元→ 13、完成! 1、図案作り 着物や帯の模様の構想を練り、仕上がったときの柄行きをイメージし、モチーフを組み合わせます。
スケッチ、下絵、色見本と進む過程で描いた沖縄の風物や柄などのモチーフを、どのような色に染め、どのような技法を施すかを考慮しつつ構成していきます。
構成された柄は型彫りからの全ての工程を行い、見本染めをし、仕上がりが確かめられた後、最終的な図案となります。
2、型彫り まずは型紙を作ります。
琉球紅型独特の技法で、“突き彫り”といいます。
突き彫りで描かれた線は優しく温かみがあります。
型紙には柄の線を残し、地の部分を掘り落とした「白地型」と、柄の線を彫り、地を残す「染地型」があります。
3、型置き 型置きには、米ぬかともち米を混ぜた防染糊を使用します。
着物や帯の白生地に型紙をのせ、ヘラで糊を伸ばして柄を写し取る。
型紙をはがすと、模様の部分だけが白く浮かび上がります。
4、色差し 型置きの終わった生地に色をつけていく作業です。
基本的に明るい色から差し、鮮明度の低い色、暗い色へと移っていきます。
紅型の基本色は、赤・黄・青・紫・緑と黒(墨)6色の顔料を混合し、独自の色を作ります。
※筆を2本持ち、彩色用の筆で色を塗った後、刷り込み用の刷毛(隈取りの筆と同じもの)で、布地に刷り込みます。
5、隈取り 柄に色をつけた後、さらにその部分に紅型独特のぼかしの技法を施します。
一般的なぼかしとは違い、強い調子で色を指す為、柄に立体感が生まれます。
隈取りをすることによって平坦な柄に陰影がつきメリハリが出ます。
どこに隈取りをするかによって模様の仕上がりがかなり違ってくるので、熟練を要します。
6、水元 生地に付着した糊や余分な染料を、水で洗って落とす作業です。
糊などがとれていくにつれて、鮮やかな紅型の色がくっきりと浮かび上ってきます。
7、糊伏せ 地染めをする前に色を染めたくない部分に糊を置く作業です。
専用の袋に糊を入れ、先端から絞り出すようにして、柄の部分に糊を置いていきます。
8、地染め 糊伏せの糊が完全に乾いた後、全体に色をひいていきます。
この際は大きな刷毛を使用します。
全体にムラが出ないよう、均一に細心の注意を払って染めあげます。
9・10、水元→完成! 地染めが終わると、もう一度蒸し、水元をして仕上がりとなります!